立入り禁止フリークとしてはいついかなる場合でも、入っては行けなさそうな場所に目を光らすことを怠ってはいけません。それは今までの那古野コネクション時でも忘れていませんでした。というわけでこれは、2004年の那古野ツアーで那古野市内を歩いたときに見つけた牧野ヶ池湖畔の立入禁止。池なのに湖畔とはどういうことか、という問題はこの際置いておきましょう。
これ、まずその外観に違和感を感じませんか。お馴染みの簡易設置型フェンス(正式名称知らず)にいかにも取って付けたような立入禁止の看板がぶら下がっていることはもちろんのこと、そのフェンス自体の色がよくある黄色ではなく淡い緑色であることが変です。周りが森ということで、環境に馴染ませようと配慮した結果こういう着色をしたのかもしれませんが、人を立ち入らせないようにするという本来の目的とは相反する馴染み具合になっています。背景の緑と比べてみれば、カメレオンもちょっとビックリな感じの保護色で、見事としか言いようがありません。そんなに隠したいのか! と叫びたくなりませんか?(私はなりません) その一方で、赤文字の立入禁止の看板をぶら下げたり、申し訳程度の三角ポールを横に置いたりして、なんとか目立たせようというちぐはぐ感。その場しのぎの人間的浅ましさったらありゃしない。しかもよく見たら、フェンスと三角ポールが立っているところ以外はロープが張られているわけでもなく、簡単に中に入れてしまいそうではありませんか。全然やる気が感じられません。一体、立ち入ってほしくないのかほしいのか、どっちなんだ!!!(はあはあ) 失礼しました。取り乱しました。えーと、分類するとすれば、やっぱりその外観からこれは保護色系でしょう。しかし立入禁止看板としては本来の仕事の目的と逆行することを余儀なくされているので、悲哀系と言っても良いかもしれません。そんな同情心から今回は90点(点数まで保護色か)。 |
さて、緑の中の立入禁止の定番といえば、そう芝生です。これは上記と同じく2004年の那古野コネクションオフで、名古屋港の沖合にある「名古屋港ワイルドフラワーガーデン ブルーボネット」を訪れた時のものです。一緒に写っているのはパペット君。芝生に入れないことを残念がっています。
この看板、正確には立入禁止とまでは言っていませんが、入ってはいけないことを柔らかい言葉でお願いして知らせようとするタイプですね。しかもこれは言葉だけでなく、その後ろに少しばかり可愛いウサギ(?)を立たせ、いかにもこのウサギが言ってることですよ、と言うがごとくさらに湾曲的な表現にしようとしています。ウサギの背後にはバツマークが配置されているのでしょうが、それも半分以上隠れてしまって、本当にバツマークなのかどうなのか、真偽のほどは定かではありません。一見人当たりは良さそうな看板ですが、実のところは立入禁止を訴えたい人間の発言責任をウサギに押し付けようという腹黒い魂胆が透けて見えますねぇ。柔らかい線で描かれたウサギに対して、ウサギの持っている看板と文字部分がいかにもワードで作りました、というような角ばった部品でできていることからも、禁止主の事務的な心情が垣間見える気がしませんか? タイプとしては子供向けの施設でよく見られる動物系に分類されると思いますが、実はこのブルーボネットには特に子供が喜びそうな設備はなく、花や草木が庭園風に整備されているだけで、紳士淑女がのろのろと歩きながら花を愛でているような静かなところです(笑)。だからいささか場違いな雰囲気はあります。そんな諸々のマイナスポイントを考慮して30点、ですがウサギちゃんに免じて60点にアップしとくぜ!(甘いな) |
これは上記と同じくブルーボネットにあった立入禁止です。ウサギちゃんとは対照的に、これは一切の無駄を省いた白地に黒文字のみが書かれたオーソドックスな看板になっています。実に事務的ではありませんか。しかしひとたび看板の周りに目を向ければこれまでのものとは全く異なった趣を持っていることが判ります。
柵は竹と木の杭で作られ、完全に道は塞がれず、リンボーダンスしながら(ベリーロールでも可)通って行けそうな空間も保たれています。それはおそらく、ここが常に立入禁止区域ではなく、一面に花が咲いた季節には立ち入ることができるようになる(つまり植物の育成期間は立入禁止)ことに起因しているでしょう。立入禁止でも柵の向こうの景色は見せたいという主催者の配慮が、看板の控えめな大きさからも見て取れます。というわけで、これは風光明媚系に属するタイプと言えるでしょう。花絨毯が広がる季節になれば、自然と向こう側に行ってみたくなりそうです。花に誘われる蜂のように・・・8点(低っ!っていうか、もはや駄洒落で点数付けてるだけか)。 |
あわわわ、ついに出た〜! これは怖い! 東京に引っ越してきてから、近所を自転車でぶらぶら流しているブラッド・ピットと同じように自転車でぶらぶらしているときに見つけた空き地の柵にある立入禁止ですが、夜中に出会っていたら怖くて失禁していたところです(私がもし尿意を催している赤ん坊なら)。
これは怪奇系とでも呼べば良いでしょうか。ヘルメットを目深に冠って、というレベルではありません! ヘルメットの淵は首の辺りまで達しており、ヘルメットの中に顔が入るスペースがまったく無いように見えます。実はヘルメットが想像よりも大きく、頭と顔を覆ってしまうくらいの大きさがあるという可能性も捨てきれませんが、それはそれで恐ろしいです。工事現場ならちゃんとサイズに合ったヘルメットを冠れっちゅう話ですよ。怪我しますよ! 現場を舐めとったらあかんぞ!(親方談) ま、それはともかくとして、冷静に考えてみますと、今まで見てきた工事現場で見かける看板の傾向からして、この絵は実はお辞儀をしている絵ではないか、ということが推測されます。え、これのどこが? とお思いの向きもあるでしょう。まったく私も異論はありません。そう思われるのが自然です。現に私も未だにちょっとお辞儀しているなんて信じられないくらいです。何かの間違いではないか、目の錯覚か、あるいは自分の目が歪んでしまったのか、とまで思いたくなるほどです。でもしかし、そう考えるしかこの怪奇を合理的に解釈するすべは残っていないのです。この世に不思議なんてものはない、と黙って3回唱えるだけであら不思議、あなたは黙って唱えるとはこれいかに? という疑問が頭をもたげて、そのまま森先生所有のお辞儀をする蝋人形(そこに繋がるのか)のごとく地面におでこを付けてしまうことでしょう。というわけで、今後、絵心のない人がこの手の絵を描くときは、紛らわしい角度のお辞儀なんて止めて、判り易くいっそのこと地面にひれ伏しているように見えるぐらいの絵を描いてほしいものです。これは世にも奇妙な雰囲気を醸し出しているということで、一気にどどーんと不可思議(1064)点だ!(もう点数の基準崩壊) |