名大「まちとすまい」の夕べ
第3回〜住みつづけられる環境づくり〜
「作り方をデザインする(コンクリートの施工設計法)」

2001.12.13(木)



★2001年12月、名古屋大学環境学研究科都市環境学専攻と名古屋都市センタが主催して、金山にある名古屋都市センタにて「名大 まちとすまいの夕べ」と題されたシンポジウムが約2週間に渡って開催され、数ある講演会の中のひとつに森博嗣先生が担当されたご講演がありました。内容は森先生ご専門のコンクリートの話が主なものでしたが、せっかく近くで森先生のお話が聴ける機会です、これを逃してはもったいなかろうということで聴いてきたその講演会(+α)の模様を、例のごとくここにまとめてみました。内容的には夏の講演会とも重複する部分があると思いますが、できる限り見聞きしたものをそのまま記述するよう心掛けています。しかし、専門外の話なので記述者(僕のことです)の誤解による間違いも含まれているかと思います。森先生の発言も後に想像で補っているところもあり、そのままということはないことを、あららこめご了承ください。以上のことを踏まえていただいた上で、寛大な心を持って、想像力(ときに妄想力)を働かせたり、楽しい想い出を思い出しながらでもお読みになれば、きっと楽しい気分になれることは間違いないでしょう(笑)。

◆幕開け前の雨上がり

 この日は朝から雨模様でしたが、夕方頃には雲の間から青空も時々見えるようになっており、見上げると雲の流れが速いことに気づきます。そういえば天気予報で明日から冬型の気圧配置になるって言ってたっけ、などとぼんやり考えながら午後5時前には名古屋大学前のバス停で金山行きのバスを待っていました。森先生の講演会自体は午後6時半からの予定でしたが、講演会のある同じフロアで名大の建築学教室の研究内容等も展示されているとのことだったので、少し早めに行ってそれを観ておこうという魂胆でした。しかし、少し遅れてやってきた5時前の金山行きのバスに乗ったのは良いのですが、やはりちょうど混み合う時間帯だったらしく結構時間がかかってしまい、金山駅に到着したのは午後6時少し前となりました。停留所でバスを降り、金山総合駅を抜けて行くとすぐのところに目指す建物があります。名古屋都市センタが含まれるこの建物は、他に名古屋ボストン美術館やホテルも入っている背の高いランドマーク的な建物です。平日のせいか雨上がりのせいか、人通りは少なく、辺りもすっかり暗くなっていて建物の入口付近のライトアップも落ち着いた雰囲気です(ぶれてます)。中に入るとホールの中央にはクリスマスツリーの飾り付けもされていました。展示物や講演会があるのは11階のまちづくり広場であるということを掲示板で確認し、エレベータで一気に11階まで上がりました(2階から11階まではそもそも止まれないようになっている)。到着してエレベータから足を踏み出すと、記憶が蘇ってきます。そうそう、ここは那古野コネクション第1回オフ会のときに一度訪れたことがある場所なのです。エレベータから幅広の通路が延びていて、突き当たりには円筒形の一部をなしているであろうと想像できる曲率を持った壁が見えています。それを取り囲むように左右に延びる通路、右手の向かう通路の角には案内所のようなブースがあり、制服を着たお姉さんが数名(にこにこ)。しかし残念ながらそのお姉さんたちは講演会には直接関係ないようです。で、今度は左手に目を向けてみると、別のお姉さん方というかお嬢さん方が奥の展示スペースへと続く通路の途中に立っておられます。お、どこかで見たことがあると思っていたら、やはりすでに到着されていた那古野コネクション仲間であるこずえさんとみつるさんとmickeyさんでした。なんか知らんけどこういうところで会うとお互い思わず笑ってしまいます(笑)。3人はもう展示もすっかりご覧になられたようだったので、軽く挨拶と会話を交わしてみつるさんから前回のオフ会でいただき損ねた名刺をいただいた後は、一旦失礼して個人的に展示物を観て回ることに。エレベータから突き当たって左側に進んだところが、名大建築学教室の各研究室による企画展示コーナとなっているようです。そして一見判りませんがフロアの中心に位置している壁に囲まれている中が大研修室となっていて、そこで今回の講演会が行なわれる模様。その部屋を挟んで反対側(つまりエレベータからの通路を右側に進んだところ)には常設展示コーナがあり、床には大きな名古屋市全体の航空写真(3800分の1?)が敷かれているスペースもあります。しかし、こちら側は前回来たときに見学したこともあったので今回はあまり観ずに、企画展示コーナの方に重点を置いて見学しました。その展示スペースを見渡すとこんなふうで、主に模型パネルによる展示がなされています。模型には航路周辺を想定したものや集合住宅、あと山間にある建物などがあり、設計コンセプトなどの詳しい解説がそれぞれパネルによってされていました。さらに横には別の研究室の展示物もありましたが、気持ちは早くも講演会に向いていたためそれらは流すようにしか観ていません(笑)。でもって、その横のスペースに我らが森先生の研究室の展示がありました。こちらはパネルだけの展示のようでしたが、さすがに他よりもじっくり観ましたとも。コンクリートのシミュレーションでしたね〜(<じっくり観てその程度しか言えんのか)。それから一番奥にも別のグループの展示がされており、こういったものこんなもの、あるいはこういう模型なんかが示されていました。この後の講演会の中でも森先生がおっしゃっていたことですが、展示物の形態を見ても森先生の研究室をはじめとする材料・施工系の研究が、いかに模型にして簡単に見せられるものではないかということが伺えますね(知ったふうな口を聞いてみました)。

 さてこの後、いよいよ講演会の会場へ入場となったわけですが、入口前にはいつの間にやら簡易的な受付ができていて、研究室の関係者だと思われる人(男性)に、あららこめ申し込んでおいた名前をチェックされ、環境学研究科こういうパンフレットをいただきました。思いっきり関係者ですが嬉しいですね。ちなみにパンフレットの裏表紙には森先生作のこのイラストが使われています(にっこり)。さらにちなみに、中にある講座紹介の地球化学のところで使われている写真に見覚えがあると思ったら、僕が加工して作成したものでした(何ゲに主張)。そんな受付の最中になんと大研修室から森先生が出てこられ、軽く挨拶することができました(うわーいうわーい)。そのとき環境学研究科のパンフレットの裏表紙のイラストを主張されていたのがお茶目でしたね〜(笑)。始まる前から森先生をこんな身近に感じられるなんて贅沢な講演会です。そうそう、受付を済ませる少し前に、入れ違いで展示物を観ておられている金髪素敵なお召し物をされていてなおかつ荷物がやたらと多い(笑)人を発見していました。おおもしかして、あのお方はをかへまさんではありませんか(たぶんたぶん)。わ〜い、試写会2つをこなして無事間に合われたのですね〜。と気づいておきながら結局挨拶もしなかった人はだれ?(笑)


◆幕を開けたら40人?

 会場である大研修室は、聞いていた通り100以上は入れそうな広い部屋(定員は200人とか)で、何人かが着席していたものの参加人数は少なめです。あららこめ申し込んでいた人も40人程度だったとか。これまでの森先生の講演会とは比較にならないほどの空き空きぶりですね(笑)。まだ講演開始まで20分くらいありましたが、すでに前方にて座っておられたこずえさんたちに促され、1人中央の最前列に座らせていただきました。まさにかぶりつき。待っている間はしばし歓談となりました。が、そのうちすぐ近くで森先生が普通に(当たり前ですが)OHPの準備をなさっていたりして、見ていいものやらじっと見るのも悪いやら、中途半端な視線でどぎまぎしておりました(苦笑)。メモ帳とシャーペンを机の上に出しスタンバイ。やがて6時半となり、司会者らしき人の挨拶で「名大 まちとすまいの夕べ」の開会となりました。このシンポジウムは今回で3回目らしく今回のテーマは「住みつづけられる環境づくり」で、森先生の講演題目は「作り方をデザインする(コンクリートの施工設計法)」ということです。司会者らしき人は森先生の紹介をするときこちらの気を持たせるためか、「ミステリィ作家でもあられるので作品に関するお話もひょっとしたらあるかもしれません」なんて言っていましたが、結局森先生は予告通り研究に関するお話しかされませんでしたね。

 紹介され壇上に上がられた森先生の第一声は、「今日も雨が降っていましたけど、僕がやるときはいつもこうですね(笑)」でした。ああ、そう言われれば、森先生の講演会のときは雨の日が多いような気もするなあ、なんてにこにこしていると、次は講演をされるにあたって、客層によって話す内容が変わってくるということで客層チェックをされました。最初に「スランプ試験をご存じの方は?」と我々に質問され、手を挙げた人は数名。その次は「セメントとモルタルの違いが判る方は?」と訊かれ、これにも手を挙げた人はわずか。どうやら建築を専門にしている人はあまり来られていない模様です。実は前回の夏の講演会に参加して、スランプ試験についてもセメントやモルタルについても知ってはいたのですが、どう見たってぱふぇら〜として来ているのが丸判りだし、自分が手を挙げたところで客層の把握にどれだけ貢献できるのかという懸念も脳裏をよぎり、挙がってるか挙がってないか微妙な位置で手を止めてしまったのでした(苦笑)。をかへまさんじゃないですが、今度訊かれたときはズバッと手を挙げたいものです。というわけで、建築の専門家が少ないということが判明したので、専門的すぎる話題は避けてお話されることになりました。

 最初のOHPは工学部の学生向けのガイダンスか何かのときにも使っているというもので、「Science(理学)」「Engineering(工学)」の違いを説明するものでした。2つの大きな円が少し重なって描かれ、それぞれ「Science」と「Engineering」の領域を意味しています。そしてその円の中には、「Science」側に「Why」が、「Engineering」側には「How」という文字が書かれています。もともと「Science」というのは哲学から起こってきたものでその歴史は古く、「なぜそうなるのか?」という真理を求めるのが目的なのに対し、理由は判らないけどとりあえず「どういうふうに対処したらいいのか」ということを目指しているのが「Engineering」だそうです。つまり物事に対して対処できればOKで、その技を掴めば良いというスタンスですね。これは理学に携わっている者としてはある意味羨ましくもあります。こちら側から見ていると未来を向いているという印象があるのです(実際は判りませんが)。あ〜あ、どうして工学系に進まなかったのかとほんの少し悔やんだりする毎日。って、僕のことはどうでもいいですね、はい(笑)。

 さて、ここから本格的に工学的な話になっていきます。初めは、100年くらい前なら周りにある「物」を見てそれがどういうふうに作られたのかとか、どういう構造をしているのかといったことはだいたい解ったけど、最近の「物」はどんどん複雑になっていて一見しただけではその仕組みが解りにくくなっているという話。また、人が大勢集まって計画的に造ろうと思った最初のものが「建築」だということでしたが、昔から大きな建物を建てたいという欲求はあったはずで、それができなかったのは構造的知識が不足していたことと、それを作れるような材料がなかったという理由があるそうです。そしてコンクリートにも話が及びます。コンクリート様のもの自体は数千年も前から使われていましたが、それを鉄筋と組み合わせて本格的に使われだしたのが1000年くらい前、それまでできなかったのは「作り方」がなかったからで、産業技術の発展がそれを可能にしたとのことでした。つまりここでのキーワードは「方法」です。昔で言えば、「ものの作り方」というのは一種の魔法みたいなもので、それを握っていることによって技術的や宗教的に力を持つことを可能にしていたというわけです。「ものの作り方」つまり「ノウハウ」は、書物などによって伝えることができる知識とは対照的に、伝承されにくいもので、師匠を見て弟子が育っていくという具合に、いろんなノウハウが一部のグループによって秘密にされてきたという歴史があるようです。そういったノウハウが残せるようになったのはコンピュータが登場してからで、公になってきたのがここ2、30年だそうです。しかし、実は建築生産建築施工の分野では今でもノウハウは体系化されてないらしく、「ビルの建て方」といったその分野の本もほとんどないんだとか。そういう部分は各建設会社が隠している(と言っては語弊がありますが)のが現状みたいですね。これらの話の補足として、日本の自動車産業が発展した理由も話され、それは良い材料があったわけでも知識が豊富だったわけでもなく、「作り方の技術」があったからとのことでした。なるほど。ちなみに、今回はすべてOHPを使った講演で、「本来ならパソコンとプロジェクタを使って説明するのが筋なんですけど、今日は敢えてOHPを使って手作り感を出してみました」だそうです(にこにこ)。

 以上のような導入的なお話が終わり、会場には専門家が少ないということもあって、ここで森先生は一旦基本的なコンクリートの説明をしてくださいました。出てきたOHPは夏の講演会でも使われていた、コンクリートに関する専門用語を解説した図です。一般には「モルタル」も「コンクリート」も同じ意味に捉えている人もいますが、正確には混ぜるものの違いによって以下のような名称が付けられています。
 水と混ざったコンクリートは水和反応で一晩にして固まるそうですが、木材や金属に比べて、固まるまでなら子供でも安全に工作できる材料(「アルカリ性なので手は荒れますが(笑)」と森先生)だそうです。しかも、素となっているのは岩石なのでコンクリートもほとんど岩石と言っても良いくらいで、そのまま放置しておいても特に害はなく、いわゆる「自然に優しい」材料であること、さらに2トンで約1万円という材料費の安さも大きなメリットとして話されました。
 その次も前回の講演会でも登場したOHPが出され、コンクリートの運搬についての説明です。モルタルは現場で練ることがあるそうですが、建物を支えるコンクリートは今は現場では練られることはなく、工場にある「ミキサ」によって作られて、「アジテータ車」(通称:生コン車)によって現場まで運ばれているとのこと。この「アジテータ車」がよくテレビなどで「ミキサ車」と報じられることがありますが、それは間違いだというお話も。
 それから「鉄筋コンクリート」の説明も少しありました。これも見たことがあるOHPですね〜(同じ話をするんだから当たり前ですが)。鉄筋コンクリートは100年ほど前にフランスで発明されたそうですが、コンクリートと鉄がお互いの弱いところを補っているという特徴があります。コンクリートは引っ張る力に弱いのですが、中に鉄筋を入れることで補強することができ、鉄は錆や熱に弱いという性質を持っていますが、コンクリートの中に入れることによってそれらの効果が和らげられるという具合に、相補的な組み合せだと言えるようです。ちなみに、鉄筋だけの建物は木造の建物と同じくらい熱に弱いそうです。こういう事実は一般になかなか知られていないかもしれませんね。

◆幕間は特にありません

 さて、ここからがさらに専門的なお話になって、OHPもそれ用のものが増えてくるのですが、なんせ会場には素人ばかりなので(笑)いくつか言及されない事柄もぼちぼち出てきます。具体的には「CAD」とか「性能照査」とかですがそれらはバッサリ省かれて、その次に書かれていた項目からのお話に。内容としてはコンクリートに関する最先端の話で、「フレッシュコンクリート」「高流動コンクリート」について。フレッシュコンクリートは、単に固まる前のコンクリートに対して用いられる用語ですが、このフレッシュコンクリートのシミュレーションが森先生のご専門なのです(その話はもう少し後で)。そして高流動コンクリートというのは名古屋駅ビルのJRセントラルタワーズにも使われた、とても柔らかいコンクリートのことで、このコンクリートのメリットはその柔らかさのため型に打ち込み(流し込み)やすいというところにあるようです。一般にコンクリートは水分が多くなると柔らかくなりますが、強度的には水分が少ない方が強くなるので、整形しやすくて高強度のコンクリートというのは少し前までは不可能でした。それが可能になったのはここ10年くらいで、薬剤(高性能AE減水剤)を混ぜることによって水分が少なくても柔らかくすることができるようになったからです(前回の講演会参照)。コンクリートの打ち放しを作るような職人さんには、今でも「コンクリートは堅くなきゃいかん」と思っている人もいるようですが、それは間違っていますね、とおっしゃる森先生でありました。

 ここで少し余談として、工学的立場から見た「コンピュータを用いる目的」についてまとめられていたOHP。その目的のひとつには高速化自動化(ひとつなのにふたつあるのは項目がひとつということ)があり、もうひとつには膨大なデータが扱えるということが挙げられていました。人間は作業を道具を用いることによって効率を上げてきたわけですが、その延長にあるのが高速化で、人間による管理や判断といったものもコンピュータに任せることが自動化であるとのこと。そういった種々の煩雑さから人間を解放し、その技術を共有することが工学の最終目標である、ということがここで強調されました。このことは最後の方で、再び語られる部分でもあります。

 そして話は再びフレッシュコンクリートに戻ります。ここでようやく「スランプ試験」について解説がありました。これは現場でモルタルやコンクリートを使う前にその柔らかさをみるための試験で、底の抜けたカップ状(円錐台)の中にコンクリートを入れて、カップを上げたときコンクリートがどの高さになるまで流れるかというのを見る試験です。カップの規格も決まっていて30センチの高さがあるのですが、そこからコンクリートが流れて例えば18センチ高さが減ったら、それは「スランプ18センチのコンクリート」というふうに呼ぶそうです。この柔らかさの許容量は多くても2割くらいで、18センチが12センチとかだったら即アウト、それを運んできたアジテータ車に残っているコンクリートも全部捨てて、もう一度工場で練り直しになってしまうというとてもシビアなものだそうです。しかし、このシビアなものを判断するのはほとんど職人の経験しかないってんだからさあ大変。本人の勘だけが頼りで他の人に伝える手段がないため、その人が一線を退いたらもうどうしようもなくなるという状況に陥ってしまうわけです。さらに、スランプ試験をクリアしても、実際にコンクリートを打ち込むときに型の隅々に本当に行き渡っているかとか、打ち込むときは気泡を追い出すためにバイブレータを中に入れて振動させるのですがその振動の強さ加減は適当か(強すぎると混ぜ物であるコンクリートが分離する)、などといった判断も現場の職人に任されているのが現状だとのことです。これら作っていく途中のものに対する予測が必ず必要になってくるだろうと。そしてその判断を経験者でなくてもできるようにするためには、森先生のご専門でもある「粘塑性流体のシミュレーション」が重要になってくるだろうという話に繋がっていくわけです! いやあ、すごいすごい(ほわ〜ん)。

 さて、次のOHPには、スランプ試験よりもさらに精密なコンクリートの柔らかさの測定ができるせん断ボックス試験器なるものの写真が登場していました(じゃじゃ〜ん<音はなかったぞ)。これは世界に1つしかない代物とのこと(「当たり前ですが」という注釈付き)。縦に輪切りにしたように分割されて形が可変になっているボックス状の型枠にコンクリートを流し込んで、外から力を加えてボックスの形を上から見て平行四辺形のように変形させていくときのボックスに対する抵抗力みたいなものを測定して、そのコンクリートの柔らかさを測る機械だそうです(言葉で表現するのが難しい)。で、その機械を使った解析結果が色の付いた図(トモグラフィというのでしょうか)で表されたOHPを森先生は見せられたのですが、なかなか素人の目にはどう見ていいのかピンとこないものでした(あはは)。そんな我々の様子を知ってか知らずか森先生は「解らないと思ったらふっと飛ばしてもらって、綺麗だなと思ってもらったらいいんですが(笑)」なんておっしゃって、詳しい解説は省かれていましたね(笑)。

 その次も専門向けのOHPのようで、「構造設計」「施工設計」の解析までの流れみたいなものを比較したフローチャートが書かれています。「構造設計」というのは主に建ってしまった後の建物などを対象としていて、こちらの解析手法はすでに確立されているらしいです。それに対して、「施工設計」の方は建物などを造っていく過程を対象としていて、まだその解析手法は確立されていないのですが、フレッシュコンクリートについての解析手法として、VFEMという方法を今から10数年前に森先生は提案されたそうです。そのときに行なったのがスランプ試験のシミュレーションで、実際のスランプ試験の写真とシミュレーション結果の図を比較して、コンクリートにできるしわの様子が再現されていることを説明されました。その図は多くの線によって3Dで描かれているのですが、当時はこの図を描くのが大変だったらしく、プログラムが得意だった森先生はご自分でその図を描くプログラムを書かれたそうです。この解析手法を提案された頃は森先生は三重県におられて、三重県ではプログラムに関して森先生の右に出る者はいなかったとか(笑)。「その後愛知県に移ってきたときは、右に出る者が30人くらいはいたかもしれませんけど(笑)」とおっしゃって、目を細くしてにこやかに笑われておられた森先生が印象的でした(にこにこ)。

 さらに、粘塑性サスペンション要素法という解析手法を用いた、固体の球の周りにべたっとした液体がまとわりついているようなもの(粘塑性流体)が流れるところのシミュレーション結果が説明されていきました。何枚かOHPを使われていましたが、粒子の大きさが大きくて数が少ないものほど昔のシミュレーション結果で、ハードウェアの進歩によってだんだん細かくて数の多い粒子の場合でも計算できるようになってきたとのこと。しかも10年くらい前の名大の大型計算機センタにあったスーパーコンピュータの性能が、だいたい今のiMacの半分くらいだそうで、驚きです〜。紹介されたOHPの一枚にずっと使われているらしい結構古いものがあって、柱状に立っていた粘塑性流体が流れていく様子をコマ撮りした感じの図が4枚ほどあったのですが、2番目と3番目の順番が逆になっていて(つまり一度流れたものがまた戻っているふうに見えている)、森先生曰く「この通りだったら驚異の世界です(笑)」でした。そして「直そうともしないで毎回訂正をしてるんですが(笑)」ともおっしゃりつつ解説されていましたね。

◆寝てる人もありません

 さて、先ほど解析手法が確立されていると言った「構造設計」の方に関してですが、実はそれは構造物の中にクラックなどの最初の破壊が起こるところまでしかシミュレーションできていないのだそうです。つまり構造物の一部に破壊が起こってから全体が崩れてしまうまでの過程は対象となっていないし、それゆえに解析もできていないのが現状だとか。しかし、建物自体を守るのがそういう破壊解析の本来の目的ではないはずで、建物はどんな状態になっても中にいる人間が守られるかどうかが重要であり、むしろ構造物の破壊が始まってから最終的にどんな崩れ方をするのかを解析する必要があるとのこと。そこで森先生は、今のところ液体のシミュレーションに使っているサスペンション要素法を、将来的には固まったコンクリートの解析にも応用していきたいと考えておられるそうです。ここで少し液体固体に関して補足がありました。固体というのは粘性の高い液体と考えればいいだけなので、現在のシミュレーションに使ってるプログラムは、粘性のパラメータなどの数値だけを変えれば、そのまま固体にも流用できるものらしいです。具体例として、ロウソクを横にして壁に立てておいた状態で1年ぐらいたてばだんだん下に曲ってきて壁の方にくっついてしまうけど、途中で戻そうとすると折れてしまうという話をされましたが、その説明をされるとき森先生は「こうやってロウソクを長い間横にしていると・・腕がつかれますが(笑)」とか、「壁にロウソクを立てる・・というのも変ですが」とか、「その状態で1年もおいておける家もなかなかないでしょうけど(微笑)」とか、細かい注釈を入れてくださいましたね(にこにこ)。もうひとつの具体例として、地球のマントル対流の話が挙げられ、岩石も徐々に加わっている力に対しては液体のようにふるまうということ(注:マントルは決してどろどろではなく、人間のタイムスケールで見た場合は固体です)、つまり固まったコンクリートも条件によっては液体としてシミュレーションすることが可能であるという説明をされました。これはあくまでも将来的な話。それにしても、マントルの話が出たときには、自分の専門に近いこともあってちょっとどきどきしましたねぇ(笑)。きっとをかへまさんも色めき立った瞬間ではなかったかと思います(<勝手に思わないように!)。
それから、現在行なわれている破壊解析の手法として、アコースティックエミッション(外から力をかけてコンクリートが破壊される時に発生される超音波)を使ったものがあるということも、OHP使って説明していただきました。そうそう、「まどろみ消去」の中の「真夜中の悲鳴」にこの実験が出てきましたね。かける力を徐々に大きくしていくと、コンクリート内部で最初の破壊が起こった後も力の増加に伴ってアコースティックエミッションが発生するのですが、一度力をかけるのを止めて再びかけてもそれまでに経験した力の大きさまではアコースティックエミッションは聞こえない(観測されない)そうです。これは当たり前といえば当たり前の現象ですが、このことを利用して、地震で被害を被った後の構造物などに外から力を人為的にかけていって、最初にアコースティックエミッションが観測されたときにかけていた力から、地震によってその構造物が受けた力を逆算するという、面白い応用がなされているそうです。あと、円柱状のコンクリートを板で挟んで縦方向に圧縮することによって横方向の引っ張りに対する抵抗をみる、割裂試験(漢字不確か)の説明も少しありました。

 でもって話は施工の分野に戻ります。OHPに表されていたのは、LNG(液化天然ガス)のタンクの写真です。このタンクが海辺に林立している風景はよく見ますが、最近では安全対策や景観の問題から地下に埋まっているタイプも造られているそうで、その上部は丘のようになっていて土をかぶせられ芝が植えられ公園の一部のように振る舞っているタンクもあるとか。ただ、やはりお金はかかるみたいです。それと、穴を掘るということは上から崩れてくるという危険を伴う作業です。トンネルなどでは穴を掘りながら壁面をコンクリートで覆っていくというシールド工法が用いられていますが、深さが100メートルにも及ぶというガスタンク用の穴を掘るときには、まずある幅で外壁となる部分をコンクリートでぐるりと造るそうです。具体的には、柱状に比較的小さい穴を100メートルくらい掘って、中には崩れないように水を入れておきます。そしてその中に骨格となる網状の鉄を沈めてポンプで底からコンクリートを流し込んでいきます。コンクリートが埋まっていくに連れて水は押し上げられてきます。そうやってできた柱の両側に同様にしてコンクリートの柱を広げていき、上から見ると円周状になるようにコンクリートの壁いわゆる連壁(漢字不確か)を造ります。それが完成すると、ようやく円周内部の土を掘っていく作業に移るわけです。ただ、このコンクリートの壁を造っていく段階で気になるのが、コンクリートを流し込んでいるとき水と混ざることなくちゃんと固まっているかどうかということだそうで、そのシミュレーションも企業と共同で行なわれたとのことでした。

 ここまでが具体的な施工の話で、いよいよまとめの部分に入っていくのですが、その前に破壊試験に関する余談再び。テレビCMで自動車の衝突実験の場面が写されることがありますが、一番多くやられていたのは10年前くらいだそうで、最近ではコンピュータでかなりシミュレーションできるようになったので、衝突実験の数は10分の1くらいに減っているらしいです。しかし、10年前よりももっと昔も衝突実験は行なわれていて、そういう場面をテレビで流すとイメージが悪くなるということであまり流されなかっただけで、今ではむしろ良いイメージとして衝突実験の場面が流せるようになっています。森先生曰く「見る方のレベルが上がってきたからでしょうか(笑)」とのこと。それから、「自動車の衝突実験はCMで流れますけど、航空機のそういう実験場面は流されませんね」とおっしゃって会場には笑いが。航空機もやってるはずですが、見せない取り決めになっているらしいです。

◆まとめと言っても後半戦

 さて、ここからがまとめとなります(と勝手に解釈)。まずは「建築」の課題についてあれこれ書かれたOHPが登場。細かいところは忘れてしまって適切ではないかもしれませんが、清水の舞台から飛び下りたつもりで建築のこれからの課題として挙げられていたことを書いてみると、以下の3つのようになります。
1と2は同じことを言っているような気もしますが、まあお気になさらぬように(笑)。例えば今、家を買おうと思うと何千万円かかかりますが、それはひとえに家がひとつひとつ同じ形をしていないからだそうです。自動車の場合は大体が同じ形をしているので数百万円で買えるわけです(数千万円する自動車はやはり同じ形をしていない)。つまり生産コストの問題で、家についてもオーダーメイドにしないで他と同じ形をしたユニット型のもので満足できるなら、500万円くらいでも買うことが可能になるはずだとのこと。ただ、若いときには子供もいて家に対する要望が多く、歳をとるにつれて子供もいなくなりシンプルな家でも充分になっていくわけですが、「そういう歳になってからようやく家を買うことができるという今の社会システムにも問題があると思います」ともおっしゃっていました。そういう家の問題をはじめ、建築物とはそもそも大量生産に向かないものですが、より安く生産するには、立ち後れている生産・施工の分野の合理化が必要だということでした。また、そのためにはあらゆる箇所にコンピュータを導入していけば良いわけですが、そうやってすべてコンピュータによる生産管理などがなされ、もしコンピュータのエラーが重大なミスに繋がったりしたときに、一体誰が責任を取るのかという問題が浮上することになります。

 ところで、建築に限らず工学の様々な分野において合理化が進んでいけば、当然その分だけ職を失う人間がでてくることになります。そして、それを酷いことだと批判する人もいたりします。しかし、そもそも技術というのは人間が楽をするために、つまり仕事をしないために発展してきたものだということを忘れてはいけません。人間でなくてもできる労働を機械やコンピュータに任せることによって、人間は絵を描いたり音楽を作ったりといった創造的なことができるようになるわけですから。そう、「非創造的な労働から人間を解放する」という本来の技術のあり方を見失ってはいけないのです!(はぁはぁ) 職を失ったその人は確かに可哀想だしフォローするなんらかの制度があるべきですが、失業率が増えること自体は別に悪いことではないと、森先生は思っておられるそうです。一言に換言すれば、「我々は遊ぶために技術を発展させているのである」となるでしょうか。
 また、例えばコンピュータグラフィックスのように、初めは絵を真似したり写真を忠実に再現したり、現実にあるものを表現することを目的として発展してきましたが、さらに発展していくと現実にはないものや人間が想像できないものなどが生み出されていくという話もされました。最近の新幹線の「のぞみ号」なんかがその例で、パッと見た感じでは靴べらかカモノハシのような顔をしていてカッコイイとは言えないけど、速く走るためにはあの形が良いらしいということが、コンピュータを使った設計で判ったというわけです。そして、「カッコイイと思えないのは我々の世代だからで、そういう新幹線を見て育った子供はきっとそれをカッコイイと思うようになるのでしょうね」ともおっしゃる森先生。これを聴いて思ったことは、そうか、僕は森先生側なんだなあ(ぽわ〜ん)。

 その後唐突に出てきたのは、4種類のアイスクリームの絵が描かれたOHPでした。ああ、これは見たことがありますね。基本的には『森博嗣のミステリィ工作室』に収録されているエッセィ「アイスクリームのデザイン」の話と同じです(森先生の「浮遊工作室」のミステリィ制作部でも公開されていますね)。えっと、だから悪いことは言いません、手許にその本をお持ちの方はこの段落を読まれるよりも、そちらを参照なさった方が断然解りやすいでしょう(笑)。さて、その図の中で一番左に描かれているのがもともとの普通のアイスクリームで、逆三角形のコーンの上に半球状のクリームが盛られています。このクリームが溶けて垂れてくるのを何とか防げないだろうかという思いから森先生が考え出されたのが、右側に並んでいる3種類のアイスクリームです。1番目はコーンの形状を、クリームが垂れても受け止められるように変えてあるもの、2番目はクリームの埋め込みを深くして多少溶けてもコーンの外に垂れないようにしてあるもの、3番目がオプションとしてクリームを上から常に冷やすドライアイスを付けて対処しようとしたものになっています。で、これらのデザインがそれぞれ、建築の「計画・意匠系」「構造系」「設備系」に対応しているように見えなくもないというお話。「こう言ったら怒る方もおられるかもしれませんが」と前置きをされた上で、計画とか意匠をやってる人はすぐ見た目で対処しようとするといったニュアンスのことをおっしゃっり、「ここのアーチをもう少し広げたら人が通りやすくなるとか、広い空間を造ればそこに人が集まってくるとか考えてるんです。天井の高い家だと子供がのびのびと育つなんて信じてる人がいますが、そんなことはないと思いますけどねぇ(笑)」とちょっぴり辛口の森先生(にこ)。そんな計画系に対して、いやいやもっとしっかりクリームを埋め込めば良いのだ、わざわざコーンの形状を変えることはないじゃないか、と考えるのが2番目の構造系の人だそうですが、計画系の人に言わせれば、そんな2番目のアイスクリームは見た目がカッコ悪いということになるそうな(笑)。それに対して、じゃあクリームを受け止める形をしたコーン部分が壊れたらどうするんだ、と構造系の人は1番目のアイスクリームにケチをつけるわけです。これら2つはどちらもアイスクリームの形状に関して対処を施していますが、そんなことせずにアイスクリームが溶けないように上から冷やし続ければアイスクリームを良い形に保ったままでいられるじゃないか、と考えるのが3番目の設備系の人。森先生曰く「部屋が暑ければ断熱して冷房設備を整えれば良い、と考えるんですね(笑)」。とまあ三者三様の対処法なんですが、これらはいずれにしても絵に描けるものなのです。それに対し、森先生のご専門である「材料・施工系」というのは、絵に表せないところがマイナな分野であることを象徴しているとのことでしたが、しかし実はこっちの方がより本質的で無害な対処であることも強調されていました。つまり、「材料」に注目すれば溶けないアイスクリームを作れば良いということになるし(ただし「人体に影響があるかどうか問題ですが(笑)」という注釈あり)、施工に注目すればクリームをコーンに盛るときに力強くしっかりと盛れば案外溶けてこないようになり、盛る人の努力で結構改善される部分もあるというわけです。

 そして最後のまとめのOHPが出されました。内容は当然今まで聴いてきたことの集大成、寄り道しながらでも見事な着地、さすがは天下の森先生です(大袈裟か)。まず「道具を用いること自体に価値があるのではなく、道具を用いて何をするかに価値がある」という点が強調されていました(具体的には字が大きかった)。これはエッセィでも森先生が書かれていた内容で、「しゃべり方が上手になってもしかたがない、歌が上手く歌えたってしょうがない。つまりは、何をしゃべっているのか、何を歌っているのか、その内容が問題だ」(『スペースシャトルに何を乗せるのか?』より)とありますね。まさにこれがオブジェクト指向というわけです、たぶん(笑)。そしてその先にある、技術がもたらす新しい考え方が重要になってくるのだそうです。これはさっきの新幹線のようなものですね、たぶん(笑)。

 それから、そのOHPの右下にはイギリスにいるという顔の黒い羊の絵が描かれていました。あ、これは! 昨年の成東町での講演会のときにも使われていたやつです〜(にっこり)。で、その絵にまつわるお話が最後になされたのであります。ただ、思い出されながらのお話だったので、ひょっとすると成東町のときのお話の方が本物かもしれません(笑)。さてさて、この羊を見た天文学者数学者哲学者がそれぞれ言いました(口調は勝手に変えてます)。
つまりこの絵でおっしゃりたかったことは、ものを見えている部分だけで判断しないでほしいということで、「街で建造物などを見かけたらなんとなく通り過ぎるだけじゃなくて、それがいかにして作られたのか、見えないところはどうなっているのか、などと想像してください」と締めくくられたのでした。いやあ、森先生にそんなこと言われたら、もう想像しまくりですね(にこにこ)<しまくらんでもいい。

◆幕は閉じても忘れません

 残りの時間は質疑応答です。専門家のお客さんが少なかったからか、質問されたのは設計がご専門らしい方1人だけでした。質問は2つ。しかし、具体的な質問内容は忘れてしまったので(苦笑)、ここは森先生によるご回答とコメントを書いておくに留めます(というかそれしかメモってなかった)。ただ、いささか専門的な内容だったので、どこまで正確さが保てているかは保証できませんことをご了承ください。ってそれは講演会全般に渡ることですが(笑)。ええと、ひとつは解析に関してです。実際にコンクリートなどを使って実験する方法と、コンピュータ上でそれをシミュレーションする方法では、今はまだ実際に機械を組んで実験する方が容易でお金も安く済むらしいのですが、不確定さが絡むのはどちらも同じなので、ある部分だけに注目して観察することができるシミュレーションの方が将来的には優勢になっていくでしょうとのことでした。ただ、その入れ代わりは突然ではなく、徐々に起こっていくと見ておられるそうです。もうひとつは、今の建造物はしっかりとしたデザインを持つものから造られてはすぐ壊されるようなものまでいろいろあって、それに比べると昔の建造物は良いものばかり造られたような印象を受けるけど、それは良いものは残されたからそう見えるだけだというような話だったかな(うろ覚え)。昔だっていろいろ造られては壊されていたはずだとのこと。それに関連してだったか、「数年前にコンクリートの崩落事故が多発してコンクリート神話が崩壊したとかよく言われましたが、そもそも誰が神話なんて作ったんでしょうか(笑)」とおっしゃた上で、「逆に、そういう話ができるくらい長い間何も起こらなかったということですよね」と。それくらい世の中にコンクリートが当たり前のように浸透していたということですね。つまり、少々水の配分を間違えようが、木片などの異物が混入しようが、コンクリートというのはできてしまう材料なわけです。それで結構長持ちもしてしまう。そういう性質を持っていることがコンクリートの利点で、それを活かせば中に廃棄物などを入れて作ることができるという話でした。

 以上で講演会は終了となり、最後に森先生は「どっちつかずの話ですみませんでした」と恐縮されていましたが、いやいや、我々素人がお邪魔したことで森先生に話しにくい思いをさせてしまったことこそ申し訳ないのです。ファンとしては、にこやかにお話される森先生のお姿が近くで拝見できただけでも(しかも少人数で)とても幸せな夕べになりました(ほくほく)。その後は、長居して森先生にご迷惑をかけることのないようご挨拶だけして大人しく会場を後に。那古野コネクションの面々は金山駅で別れてそれぞれ帰路に就きました。森先生の残像を網膜に焼きつけながら・・。

★最後になりましたが、話しにくい客層相手に分かりやすく丁寧な講演をしてくださった森博嗣先生には心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。また今回のイベントを企画し、森先生のご講演を聴ける機会を与えてくださった建築学教室および名古屋都市センタのスタッフの方々にも感謝いたします。

by しばしん@0283


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